4年授業「化学ゼミナールI」(b1)出前化学実験の実践内容公開【報告書】を掲載しました。
「It's a chemical world after all. ~みんないっしょに楽しもう 化学の世界~」
ドクター・マジックと そのなかまたち(Dr. Magic & His Ladies & A Boy)
開催日時:2016年05月14日(土)11:30-12:30,13:30-14:3
開催場所:第一共通棟206講義室
参加者数:教員1名(報告者),学生4名(履修学生),その他観客名〔配布品23個より,うち本学教職員1名,回収アンケート20枚(男10名,女7名,性別未回答3名)〕
【成果の概要】
「世界中どこだって笑いあり化学ありみんな楽しく参加する化学のマジックショー」という,観客も参加できる,楽しい化学マジック実験を演示することを歌詞にした「It's a chemical world after all」(「小さな世界」の替え歌)の歌と踊り(学生)を,クラリネット(報告者),鍵盤ハーモニカ(学生)の演奏付で披露してオープニングとした.今年はショーのお手伝いとして学生が手作りしたマスコットパペット「ケムタヌキ」も登場した.出前化学実験は大学の授業として行っていることを紹介し,以下の実験を演示した.2014年 2015年と同様に,1回の演示時間を 60分とし,1日に 2回行うようにした.学生 4名が主演示者,副演示者,裏方,観客対応&司会の役割を交代しながら担当し,以下の実験を,アニメーションを駆使した PowerPoint(小学校 3年生対象版)を併用して演示した.
1回目(11:30-12:30)その他観覧者15名以上(うち,本学教員 1名)
1.密閉爆発-ロケット&爆発する炎&アルコール鉄砲(可燃性ガスの爆発濃度範囲)
2.熱いところから出る光-花火の色の秘密(炎色反応)
3.冷たいところから出る光-ケミカルライトの秘密(過シュウ酸エステルの化学発光)
4.瞬間消滅-魔法の綿(硝酸セルロースの燃焼)
5.紫外線チェックビーズの秘密(ホトクロミズム,配布のみ)
2回目(13:30-14:30)その他観覧者 5名以上(うち,本学教員 0名)
1.密閉爆発-ロケット&爆発する炎&アルコール鉄砲
2.時間差瞬間着色(Landoltヨウ素時計反応)
3.自動虹色変色(塩化第三ブチルの分解に伴う万能 pH指示薬の変色)
4.瞬間消滅-魔法の綿
5.紫外線チェックビーズの秘密(配布のみ)
各回,最後まで御観覧いただいた観客に,おみやげとして,報告者が開発した「紫外線チェックビーズのストラップ作成キット」を配布した.来場者にはアンケートを依頼し,1回目の実践では,来場者にアンケート用紙を手渡しした.2回目は観客が極端に少なく,最後に残った 5名からしかアンケートを回収できなかった.
以上の 5月 14日(土)の実践以外に,5月 9日(月)から事前指導と予備実験(pptチェック)を開始し,5月 13日(金)に会場設置と予行演習,5月 17日(火)2限に化学系理科実験実習室で事後指導を行った.
学生にとって,今回の実践は 2回目である.前回の実践とは会場が異なり,修正が必要な点も多かった.
昨年度の反省を活かし,ロケットの威力を制御したほか,蛍光灯や天井をPE袋で覆ったこと,爆発する炎でアクリル筒を使用するなど,より一層の安全対策が施された.また,初めて担当したり,演示したりする実験もあったが,予備実験により,pptを含め,大幅に改善された.途中でケムタヌキを演じた指導教員から,学生の説明に若干補足が必要な場面もあったが,事故もなく無事に終了することができた.化学発光の実験については,これまで気が付かなかったことが判明し,一層分かりやすく pptを改善する必要があることも明らかになった.アンケートから,観客の年齢層は 3才から 70才代以上と幅が広かった.
話し方が早すぎる,説明が少し難しいという回答が若干見られたが,概ね良好な回答であった.
今回,来場者が非常に少ないという結果になった.パンフレット以外に,例年掲載いただいていた大学祭の HPに,マジックショーに関する演示時間を含めた掲載がなかったことなど,大学祭実行委員会からの宣伝,呼び込みなどの協力が余り得られなかったことが残念であった.観客が少ないところでの実践は教育効果を損ねる.大学祭の雰囲気で,大学紹介としての実践では,集客に限界があると考えられた.次年度以降は,子どもまつりなどへの出展を検討したい.
御観覧いただいた,本学教員 1名に,この場を借りてお礼申し上げる.
報告者:戸谷 義明(理科教育講座)