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2022年10月31日「学校教育と著作権」オンライン研修会を開催

2022年11月15日

10月31日(月)16時に「学校教育と著作権」(シリーズ1回目)に関する研修会を開催し、本学の大和 淳客員教授の指導のもと、62人の教職員・学生および県内教育関係者がオンラインで受講しました。

GIGAスクール構想の前倒しによって整備された児童生徒1人1台端末などの環境下において、ICTを効果的に活用した授業実践が全国で行われ、また、教員免許更新制度の発展的解消による新たな教員研修制度が中央教育審議会や教育委員会などで検討されています。このような中、学校の教育活動では、多様なメディアの活用や教材を作成する際に著作権に関する基本的な知識が必要になっています。それと同時に、児童生徒や大学生に対しても、社会に出て必要となる著作権(を含む知的財産)尊重の意識を身に付けさせることもますます重要となっています。

このため、本学では、学生を含む大学構成員および県内教育関係者(学校教員を含む)を対象に「学校教育と著作権」に関する研修会をシリーズで6回開催し、著作権の基本を学ぶとともに、地域教育機関との連携・協力によって著作権教育を推進していきます。

初回のテーマは「学校教育と著作権の基本(初等中等教育機関向け)」として、最初に、新津勝二総務・財務担当理事による研修会の趣旨説明と講師紹介を行いました。

次に大和教授から、「今回の解説は、『児童生徒に著作権をどのように教えるか』ではなく、それ以前に基本的なイメージをつかんでいただくことをねらいとしています」と冒頭で説明があり、あらかじめ配信された資料に基づいて「著作権の原則と例外」を2つの大きな柱とした解説を行いました。著作権法に関しては平成30年に一部改正が行われ、第35条(学校その他教育機関における複製等)では、許諾不要となる範囲の拡大や補償金制度が創設され、非営利目的の教育機関における利用をよく整理しておくことが重要であることから、改正第35条をフローチャート化したイメージ図を用いた丁寧な説明も行われました。

今回の研修会は、学校の先生方が参加することも想定して16時から1時間限定で開催されたため、質疑応答の時間をとることはできませんでしたが、参加者からオンライン上で質問を受けたものをweb上で回答することにしています。シリーズ化する6回の研修会とともに質疑応答全体をまとめることによって、「学校教育と著作権」についての共通理解が教育関係者間でさらに深まることが期待されています。

なお、本研修会の映像は編集後に大学構成員および愛知県内教育関係者にオンデマンド教材として配信しています。

Teams上で講演する大和 敦教授Teams上で講演する大和 敦教授

【大和 淳教授の講評】

GIGAスクール構想+コロナ禍という2つの大きなインパクトにより、教育現場では著作権への関心が急速に高まっています。教育活動では例外が適用される場面が多いため、無意識のうちに原則と例外を逆転して理解してしまう例が少なくありません。第1回はこの点に重点を置きましたが、今後、シリーズを通じて教育関係者が身に付けておきたい著作権の考え方をできるだけ分かりやすく解説していきます。

【参加者の感想】

〇著作権の基礎基本について改めて学ぶことができました。
〇何気なく授業だからよいと使用するのではなく、根拠を知っておくことは必要だと感じました。
〇著作権の原則と例外について整理することができて有意義でした。
〇とても分かりやすい説明でした。例外だけ求めてもいけないと思いました。
〇ICT機器のさらなる普及により知っておきたい情報を得ることができました。

【次回以降の研修会のテーマ】

第2回:学校教育と著作権の基本(高等教育機関向け)        11月28日(月)
第3回:児童童生徒に対する著作権教育                 12月23日(金)
第4回:大学生に対する著作権教育                     1月中
第5回:大学と地域教育機関との連携・協力による著作権教育事業 2月中
第6回:具体的事例による演習(ケーススタディ)             3月中

(理事・副学長 新津勝二)

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